PETCT検査

大腸内視鏡検査が受けられず、膵臓への転移が疑わしかった母は、PETCT検査を受けることとなりました。

検査前日の夕方、私は仕事が終わり、家に着くと母がいません。妹に聞くと、先程、突然父から電話があり、「病院が、PET検査の医院に持っていくCD‐ROMを母に渡し忘れたために、看護師が届けに来るというので、近くの喫茶店の前で6時半頃待っていて。」と言うので、母はその喫茶店に急いで出かけて行ったまま帰ってこないと言うのです。

もう、7時半になっていました。外はとても寒く、喫茶店は閉まっている時間なので、母の性格上、震えながら外で今か今かと看護師さんの到着を待っているに違いないと思い、父に電話をしました。が、「看護師さんは、6時半に来ると言ったのにおかしいなぁ。」などと言っています。そんなこんなをしているうちに、母が帰ってきました。「看護師さんがくるから早く行って待っていたのに全然来ないし、連絡の取りようも無いからどうしよう」と言う母の体は冷え切っていて、疲れ果てていて、癌が今この瞬間にも大きく進行してしまっているかのように思えました。

私は、そんないい加減なやり取りをして母を苦しめた、看護師と父に対して、こみ上げてくる怒りを必死に抑えながら、父にもう一度電話をしました。

しかし、父も仕事中のやり取りであったであろう事を考えると、行き違いを強く責める訳にもいかないなと考え、母の状況を説明して、代わりに私が行くからと伝えました。喫茶店の前に車を停めて待っている間も、腹が立ってこちらの方も体調を崩してしまいそうでした。

そして、やっと看護師が約束の場所に到着したので、ハザードを付けて停まっている看護師の車のとこに行くようにと父から電話が入りました。

「一体何時だと思っているの!そんな、いい加減なやり取りをした看護師が、どんな顔をしているのか、怒りをぶちまけてやろう」と思っていました。

しかし、暗闇の向こう側から、こちら目掛けて小走りでやってくる看護師さんと目を合わせた頃には、これからまだ母の入院はあるだろし、関係を悪くして母に障りがあってはいけないだとかいった考えに及び、「ほんとにすみませんでした」と謝る看護師さんに対して、心にもなく「いいえ〜母が待っていましたが、寒かったので私が来ました。このCDを渡すんですね〜。」などと愛想よく言葉を返していたのです。

本当に、我ながら、よくぞここまで我慢したものだ。

翌日の顚末など知る由もなく。

 

それにしても、本当にまたか、、、という感じでした。

つづく