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抗ガン剤治療後の経過

初めての抗ガン剤については、前述のとおり便秘が一番大変な試練でした。便秘が落ち着くと、次にやってくる試練を心配する余裕ができてしまうものですね。

「抗ガン剤は。日に日に効いて副作用がでてくるから、吐き気が出たり、髪が抜けたりがこれからはじまるね。やだなぁ。吐き気はすごいのかな?」と、とても不安がる母に対して私は、「そんなのだいじょぶ、今は、いいお薬がよく効くし、大体、ばばが調べた情報は、もう時代遅れだよ。癌の薬は、ほんの数年前とは劇的に進歩してるんだよ。ドラマや小説の派手な副作用の世界は、もう何年前の事だと思ってるの〜。」と、「大丈夫のあんじを掛ける」意志を持って、何回も同じ言いまわしで返答をしました。

しかし、薬が劇的に進歩しただなんて、何処かで聞いた事があったようなという程度の、何の根拠も無い勝手な言い分に過ぎません。私にとっても、自分であんじをかけて、少なくとも、私と母の世界では、こういった認識でいたかったのです。

しかし、母の食欲は一向に回復せず、怠さが増してきました。

その程度の(予想していなかった便秘の試練に比べたら)ことは、まだ仕方がないと言える母でした。

実際は、あんじが効いたのか、最初から一番恐れていた吐き気が少々ですみました。

母の元来素直で楽観主義的な性格が、暗示効果を発揮させているとでも言うのでしょうか。(裏を返せば、相当頑固者。)

初めての抗ガン剤は、一週間入院して状態が安定してきたため退院となりました。

在宅で飲む吐き気どめや、インシュリンなど沢山のお薬、「さあ、家に帰ったら、元気のある時は庭をいじって、自分らしく生活するよ!あれも、これも」という大いなる希望とともに母は帰ってきました。

「あ〜やっぱり、家がいい!まだ、地の底に引きずり込まれるかの様に怠くて辛いけど、まだ家にいる方がいい。自由だもん。」

在宅4日目に吐き気どめの薬が切れて、ムカムカが増して、救急外来にかかった以外は、体は日に日に回復してきました。

まだ1回目だからか、髪も抜けてきません。顔色が青く、さらに痩せてしまいましたが、知らない人が見たら、癌患者とは思わないでしょう。

「本当に、今は薬がいいんだね。この程度なら、抗ガン剤は平気かもしれない」とその時は本当に思えました。

二週間が経って、体調や食欲も回復傾向で、喜んだのも束の間、今度は2回目の抗ガン剤を打ちます。次から次へと癌をやっつけなくては、と急き立てられて、体調回復の幸せに浸っている時間はありませんでした。

 

1回目で、薬の調子を合わせたので、2回目からは通院で投与が可能なのだそうです。抗ガン剤投与部屋に行き、ズラーっと並んだベッドの上でテレビを見ながら、みんな一緒に投与されます。

つづく