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2回目の抗ガン剤治療

1回目を投与してから、二週間後には2回目の抗ガン剤治療を受けました。

「やっと調子が上向きになってきたのに、また、怠くて食べられなくなるのは本当に嫌だわ。もう、抗ガン剤は、これで終わりにしたいわ。」と言っていた母。

治療日当日、母は、行きこそ娘に車で送ってもらいましたが、帰りは、病院から電車とバスを乗り継いで帰ってきてしまいました。1回目があんなに大変だったのに、母は、臆する事なく、自分の可能性に挑んでいくのです。

丁度投与が完了する時間は、子供達が学校から帰ってくる時間と重なり、妹も母を迎えには行けませんし、私も仕事をしょっちゅう早引きするわけにも行きません。当日の朝、「どうしようかな、ババ、帰りは迎えにいけないかもしれないの。タクシーで帰ってきてくれる?」と言っておいたのに。

以前、抗ガン剤治療の実際をまだ知らない頃、治療に通うことになったら、他の患者の皆さんと同じように、電車とバスを自分で乗り継いで通うからと言ってくれていたので、事前に母と2人で駅の下見をしたことがありました。

病院を出発して、てくてく駅をめがけて歩きました。「途中、もし気分が悪くなったり、疲れたら、無理しないでタクシーで帰っておいでね。」とか、道中の喫茶店を見つけては、「暑くて、駅までたどり着けそうになかったら、ここに入って休憩ね。取り敢えずお茶して様子見てとかできるじゃない」などと話しながら。

本当に途中で力尽きたら、電車で座れなかったら、階段がのぼれなかったら、、と実際に治療を始めた母を目の前にして、やっと具体的な困難に気づいている私達なのです。母の挑戦は、娘たちの事情を思ってのギリギリの挑戦だったのだと思うと、情けないことでした。

抗ガン剤の副作用が出るのは、次の日からなので、その日はまだ元気があるとは言っても、毎回そうである保証も無いことですから。

 

次の日から、怠さが来て、母は殆ど横になっていました。

心配していた便秘は、今回はコントロールが上手くいき、1回目の苦しみよりはまだましだったようです。

「二週間後には、また回復していますように。それまで、大変だけど、乗り越えようね。この1週間は、辛さが増すけど、そこからは回復していくから、癌を小さくするよ!免疫治療に向けてやれるだけやろう!」と前向きに耐えました。

1週間が過ぎた頃、「なんだか、ご飯も食べれるようになったし、咳が出なくなったし、痛みも無いし、体に元気の芯が入った気がする」と母が言います。今思えば、このタイミングで抗ガン剤をやめ、免疫治療に切り替えるべきだったのかもしれません。

日に日に体力は回復し、自転車でかなり遠くまで出かけたり、バスに乗って出かけたり、庭をいじったり、疲れたら横になり、理想的な状態を維持していました。

そして、投与後2週間を迎える2日程前に、父と母と先生で三回目の抗ガン剤をどうするかの話し合いがされました。

抗ガン剤の効果が良く出ており、この調子で!と、あと1回抗ガン剤を受けることにしたというのです。

ゴールデンウィークに、母と帰省して、祖母と対面する大事な計画が持ち上がっていましたので、三回目はもっと後にするか、もうやらないで免疫治療に切り替えるという話を先生としてくると言っていたのに、先生が、「丁度投与後2週間になる頃だから帰省にも間に合うよ」とおっしゃったと言って、承諾してきてしまったのです。

先生がおっしゃるとおり、本当にそんなに上手く進んで行くだろうから、三回目も頑張ろうねとほとんど心配する事もなく、皆、希望さえ持っていたのです。

つづく