新幹線

ずっと、静かに痛みに耐えていた母ですが、痛みは治りません。でも、新幹線を乗り換えるため、歩きます。

母の荷物をもち、姪が忘れ物をしないように気を配り、ゆっくり歩きます。でも、時間がありません。

母も、必死で呼吸を整えながら歩きます。なんとか、別ホームの新幹線へはギリギリ間に合いました。これから3時間静かにしていました。楽しい会話の道中という訳にはいきませんでした。

そして、次はレンタカーで、祖母の家へ向かいますが、ロキソニンで抑えていた熱も上がってきて、痛みも消えない状況です。

むかーし、子供の頃、父の乗用車でこの1000キロの道のりを1日かけて帰省した頃を思うと、本当に近くなりました。家族四人ぎゅうぎゅう詰めで、運転は父一人。道中、父と母が喧嘩したり、私は車酔いしたり、、三年に一度くらい帰省していました。あんな頃は、父も大変だったなぁとつくづく思いました。

ながーいトンネルを2つくらい抜けるのは、目的地に近づいた証拠です。長い旅の終わりです。そして、おばあちゃんに会える、懐かしい祖母の家を思い浮かべ、前回の帰省の夏休みの思い出を振り返るこのワクワク感は、今も昔も同じです。

でも、今は、毎年でも、何ヶ月かに一度でも行こうと思えばいつでも行けそうな程です。時代は変わり、便利になりました。

子供だった私が、親を連れて帰っているのですから。